
プリンスを語ろう!
11thアルバム『Batman』
ポップとビジネスの最前線へ――90年代への入口

はじめに
80年代を総括した今、
私たちは次の章へ入る。
アイデンティティを掴み、
神話を壊し、
闇と光を往復した男――
Prince。
その彼が、1989年、
ハリウッド超大作という巨大な装置に参加する。
ティム・バートン版『バットマン』のサウンドトラック。
だがこれは単なる映画音楽ではない。
プリンス流の“メジャー再定義”だ。
「これ、委託仕事じゃないですよね?」
いろは:
映画のサントラって聞くと、
どうしても“依頼仕事”のイメージがあります。
シオケン:
でもこれは違う。
むしろ逆。
いろは:
逆?
シオケン:
映画がプリンスに寄せた。
「巨大IPを、自分の世界に引き込む」
いろは:
このタイミングで映画仕事って、
どういう意味があったんでしょう。
シオケン:
80年代で“個”は完成した。
次は“外の世界”。
いろは:
つまり、業界と本気で絡む。
シオケン:
そう。
巨大IPと組むことで、
自分の存在をさらに拡張する。

「プリンス」
いろは:
『Lovesexy』のスピリチュアル路線から、
急に都会的でポップになりますよね。
シオケン:
わかりやすくしようとしている節はあるよね
「Partyman」はカミールの上位互換だし
「Trust」「Lemon Crash」なんかは当時、セルフパロディというか
プリンスがプリンスをわかりやすくやってるように聴こえてた
いろは:
“Batdance”なんて、
めちゃくちゃわかりやすくないですか?(笑)。
シオケン:
あれは実験とポップの融合。
コラージュ的構成。
90年代的サンプリングミュージック、サウンド編集の先取り。
「これは90年代の予告編」
いろは:
このアルバム、
時代を読んでる感じがします。
シオケン:
1曲目が「The Future」だからね。読んでるし、仕掛けてる。
いろは:
商業的にも成功。
シオケン:
でも迎合じゃない。
プリンスは、
巨大市場に自分の美学を持ち込んだ。
前作までの赤字もあったって話だし、ここで再び経済的にもプリンスは再起する!
シオケン:
『Batman』は、
プリンスが初めて
“ポップ産業”を正面から利用した作品だ。
ここから彼は、
音楽そのものよりも
“構造”と向き合うことになる。
いろは:
80年代は“自分を作る時代”。
『Batman』は
外の世界に打って出る宣言。
90年代のプリンスは、
より政治的で、より闘争的になっていく。
次回は、
商業性とアーティスト性が激突する
**『Graffiti Bridge』(1990)**へ。
——続く。

90年代のテーマ(予告)
- 巨大資本との関係
- 契約問題
- 名前の放棄
- 表現の独立
ここからプリンスは、
アーティストから“闘う表現者”へ進化する。

















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