
『ラストサマー』レビュー 〜90年代スラッシャー・ブームの申し子〜

🩸 作品概要
- 公開年:1997年
- 監督:ジム・ギレスピー
- 脚本:ケヴィン・ウィリアムソン(『スクリーム』の脚本で有名)
- 出演:ジェニファー・ラブ・ヒューイット、サラ・ミシェル・ゲラー、ライアン・フィリップ、フレディ・プリンゼ・Jr ほか
- 原作:ロイス・ダンカン『I Know What You Did Last Summer』
高校卒業を祝う若者4人が、ある夜に起こしたひき逃げ事故を隠蔽したところから始まる物語。
1年後、その事件の秘密を知る何者かから「去年の夏、お前たちが何をしたか知っている」というメッセージが届き、4人の周囲で惨劇が起こっていきます。
👁️ 作品の特徴
90年代のスラッシャー映画復興の中で生まれた本作は、『スクリーム』でホラーを再活性化させたケヴィン・ウィリアムソンが脚本を担当したことでも大きな注目を集めました。
「自分たちの罪からは逃れられない」というテーマを、漁師姿のフックを持った殺人鬼というインパクトのあるビジュアルで描き出し、
青春ホラーの王道ともいえるスリリングな展開を実現しています。
また、美男美女のキャスティングも当時のティーン層に刺さり、ジェニファー・ラブ・ヒューイットやサラ・ミシェル・ゲラーの人気を決定づけた作品です。
📈 公開当時の反響
- 興行収入:全米で約7,200万ドル超え(制作費は1,700万ドル程度)、世界的にもヒット
- ティーン層を中心に大ブームを巻き起こし、「スクリーム」と並ぶ90年代ホラームーブメントの代表作に
- 残酷描写や恐怖演出については賛否がありつつも、「ハイスクールホラー」としての完成度は高く評価
- その後『ラストサマー2』(1998)、『ラストサマー3』(2006/日本未公開)と続編が制作され、2021年にはAmazonプライムでドラマ版も登場するなど、息の長いシリーズに発展
特に当時の若者文化にフィットした「青春スリラー×罪の意識」というテーマは、90年代後半のホラーのトレンドを象徴しています。

📝 総合レビュー
『ラストサマー』は、ジャンルとしては決して目新しいわけではありませんが
✅ 美男美女キャスト
✅ 罪の意識に基づく人間ドラマ
✅ 残酷描写とサスペンス
がバランスよく融合しており、スラッシャー作品の教科書的存在と言えるでしょう。
また、ケヴィン・ウィリアムソン特有のテンポの良い会話劇や、陰惨すぎないエンタメ要素が90年代の空気感にマッチしていて、
今見ても懐かしさと共に十分楽しめる青春ホラーの佳作です。

















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