
集中連載「プリンスを語ろう」Vol.04
4thアルバム「Controversy」
問いを投げ、答えを拒否した“公開討論”のアルバム

はじめに
**シオジリケンジ(通称:シオケン)**と
**音楽ライター・神崎いろは(通称:いろは)**が、
Princeのアルバムを1作ずつ語る連載
「プリンスを語ろう!」。
Vol.3『Dirty Mind』で、
プリンスは“危険人物”として名乗りを上げた。
では次に何をしたのか。
彼は、論争そのものを作品にした。
「これ、アルバムというより…声明文じゃないですか?」
いろは:
『Controversy』を聴いて、
正直、音楽を聴いてる感覚じゃなかったです。
シオケン:
うん。
これは“聴かせる”より、投げつける作品だからね。
いろは:
歌ってるというより、
問いを連発してる感じ。
シオケン:
まさにそれ。
このアルバム、答えは一切用意してない。
「黙っていれば売れた。でも黙らなかった」
いろは:
『Dirty Mind』のあと、
普通なら少し丸くなりそうじゃないですか。
シオケン:
むしろ逆に行った。
世間がザワついたからこそ、
「じゃあ正面から聞くけど?」って。
いろは:
人種、宗教、性、政治……
全部並べて。
シオケン:
1981年のアメリカで、
若い黒人アーティストがこれをやる意味、
相当重い。
「踊れるのに、落ち着かない」
いろは:
でも不思議と、
前作より聴きやすいですよね。
シオケン:
リズムは完全にダンス仕様。
シンセも整理されてる。
いろは:
なのに、全然リラックスできない。
シオケン:
それが設計。
身体は踊るけど、頭が休まらない。
いろは:
音はポップ、
中身は討論会。
シオケン:
クラブで流しても成立する“思想表明”。
かなり異常。
いろは:
タイトル曲、ほぼ質問だけですよね。
シオケン:
「Am I black or white?」
「Am I straight or gay?」
答えは言わない。
いろは:
最後に祈りが入るのも衝撃でした。
シオケン:
宗教すら“立場表明”じゃなく、
問いの一部として扱ってる。
いろは:
逃げ道を全部塞いでくる。
シオケン:
だから“Controversy”。
論争は起こすけど、
和解はさせない。
シオケン:
『Controversy』は、
主張のアルバムじゃない。
質問のアルバムだ。
しかもその質問は、
今でも有効期限が切れてない。
いろは:
次回は、
この“問いかけるアーティスト”が
ついにポップスターとして爆発する直前。
ファンクとポップの臨界点、
**『1999』(1982)**を語ります。
——続く。

















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